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2007年07月20日

 ■ 第40回ロボット工学セミナー「ロボットの心理学的評価~心理実験の基礎と実践~」

日時: 2007年7月20日(金) 10:00~17:00
会場: サピアタワー 9階 埼玉大東京ステーションカレッジ 教室A
埼玉大東京ステーションカレッジ案内:
http://www.saitama-u.ac.jp/coalition/satellite.htmlアクセス:
http://www.jebl.co.jp/outline/sapiatower/
(東京都千代田区丸の内1-7-12, 東京駅日本橋口直結, 東京メトロ大手町駅B7出口直結)

※会場にはセキュリティゲートがあります.当日は、サピアタワー3階オフィスロビーにあるロボット工学セミナー受付にて受付をお願いします.セキュリティカードをお渡しします.

定員: 60名(定員になり次第締め切ります)
参加費: 会員/協賛学会員 8,000円,学生(一律) 4,000円,会員外 12,000円(税込)

口上:
近年,ロボットと人とのインタラクション・コミュニケーションを扱った研究が盛んになっています.このような研究では,人がどのように感じるかを定性的・定量的に評価するため,被験者を使った心理学実験が行われています.しかし,いざ実験する際には,どのように実験するのか,結果をどう解析するのかなど,やってみないとわからないノウハウがあります.本セミナーでは,心理学が専門の研究者や,心理学的評価を行っている企業研究者,ロボット研究者の方々を講師に迎え,心理実験の基礎となる評価手法から,それらを用いた実践的な研究事例まで,最新の研究成果を交えて紹介します.
オーガナイザー: 山本 大介 (株)東芝

WEBホームページ:
「日本ロボット学会主催・共催行事 最新情報」より御確認下さい.
http://www.rsj.or.jp/events/

講演内容:

<開会挨拶・講師紹介>
10:00~10:10

第1話 ロボット評価における心理学的・認知科学的な評価手法について-人とロボットの相互作用の視点から-
10:10~11:40
中央大学 文学部
須藤 智
近年のロボットを取り巻く環境は大きく変化している.ロボットが用いられる場所は,工場から公的・家庭的空間へ移行するとともに,新たにコミュニケーションの相手としての機能が求められている.このような状況を踏まえるとロボット研究者は,ロボットの評価に関して新たな心理学的・認知科学的な評価軸・手法を考えていく必要があるといえよう.今回のセミナーでは,特に人とロボットの相互作用の視点から心理学的・認知科学的にロボットを評価する手法について,主観評価・SD法,ユーザービリティテスト,プロトコル分析をキーワードに紹介する.

<休憩(昼)>
11:40~12:40

第2話 乳児の知覚発達
12:40~13:40
淑徳大学 総合福祉学部
金沢 創
中央大学 文学部・JSTさきがけ
山口 真美
私たちの研究室はこれまで,高次な視覚機能の形成過程を解明するため,乳児を対象とした視覚実験を行ってきた.具体的には,放射運動,運動透明視,主観的輪郭,形の補完,陰影情報の統合,などなどである.本発表では,主に5ヶ月前後に成立する知覚特性にスポットをあて,その特徴を考えていく.具体的には,運動透明視や形態補完などの過程が,ちょうどこの時期に成立することから,運動情報と形態情報を統合し,なんらかのグローバルで高次な視覚過程がこの時期に成立することを示してみたい.さらには,我々が明らかにしてきたこれらの知覚発達データと,先行研究との比較から,乳児の総合的な知覚発達を検討してみたい.

第3話 企業における心理学的評価事例-日本語ワープロから道案内システムまで-
13:40~14:40
(株)東芝 研究開発センター
土井 美和子
ユーザの声を反映した製品開発の必要性が叫ばれている.出来上がった製品に対しては,モニタ評価により,ユーザの声を反映できる.しかし,欲しいのはこれから作る製品に対するユーザの声である.研究段階で心理学的評価を用いることで,製品としてまだ形ができていない技術に対するユーザの声を反映することを試みてきた.実際に製品化された事例として,日本語ワープロの小型化や携帯電話の道案内サービスなどを事例により,研究段階からのユーザの声の反映方法を紹介する.

<休憩>
14:40~14:50

第4話 ヒューマン=ロボット=コミュニケーションの質的分析--長期縦断的なフィールド実践から
14:50~15:50
(独)情報通信研究機構 知識創成コミュニケーション研究センター
小嶋 秀樹
人とロボットのコミュニケーションを評価するには,その質--コミュニケーションの達成感,相手との共在感など--を,コミュニケーションの当事者の視点から分析する必要がある.本講演では,人とロボットのあいだの相互行為を,客観的(デカルト的)視点だけでなく,ロボットからみた人(コミュニケーションの相手)の視点に立って,その心理的な内面を共感的に理解しようとする〈質的アプローチ〉について,子どもとロボットの長期縦断的なコミュニケーション実践を例として解説する.

第5話 人ロボット相互作用の量的評価
15:50~16:50
(株)国際電気通信基礎技術研究所 知能ロボティクス研究所
神田 崇行
近年,家庭内や公共の場で人と関わりながら活動するロボットの研究が盛んになってきている.このようなロボットを開発する上で,人とロボットの対話や関わりあい(相互作用)が上手くいっているのかどうか,等の評価が重要になる.本講演では,身体的相互作用に関する実験室実験及び小学校や科学館などの公共の場でのフィールド実験の場での人ロボット相互作用(Human-robot interaction)に関して,人が主観的にどう思っているかという主観評価と,動作や行動などの客観的評価の双方を利用する量的評価の具体的事例の紹介を行う.

<閉会挨拶>
16:50~17:00

投稿者 office : 2007年07月20日 10:13